道教の世界観が体験できる寺院
台南にある台鐵の駅のひとつ、隆田車站にてタクシーに乗り込み、目的地である麻豆代天府まで15分程度で到着します。
※ 麻豆代天府の周りには何もないため、行きのタクシーの運転手さんに迎えに来てもらう必要があるので注意してください。
基本的に英語はほとんど通じないから、タクシーの運転手さんには迎えの時間をメモで伝えると安心だよ!
タクシーに乗り15分ほど経つと、巨大な青い建物が見えてきます。
大きな門をくぐり抜け、麻豆代天府に到着すると、最初に見えた青い建物の他にも、巨大な龍や宿坊などの建造物がいくつもあることがわかります。
正面に見える本殿、左手の観音宝殿、右手の巨大な宿坊など、見所がたくさんあります。
なかでも、最も見応えがあるスポットは、右手の奥に進んだところにあります。看板書かれている「十八地獄」、「天堂」がそれです。
「十八地獄」も「天堂」も一度入ったら30分くらいは出れないよ。写真の右手にあるトイレに寄っておこう。
日本では死後の裁判といえば閻魔大王(閻羅王)が有名ですが、十王信仰における閻魔大王は裁判を行う10人の王のうちの一人です。
初七日で秦広王の裁判が始まり、5番目の閻魔大王の裁判等を経て、四十九日に7番目の泰山王の判決により、魂がどこに行くかが決まります。日本の仏教における死後の考えはこうした信仰が取り入れられていることがよくわかります。
十王による裁判や刑の執行の様子を機械仕掛けの人形たちが見せてくれるよ。
十八地獄を抜けると、そのまま天堂(極楽)に入ることができます。夏の十八地獄内は地下にあるせいか、暑さと湿気と黴臭さで、別の意味での地獄を味わえます。一方で、天堂は建物の上部にあり、冷房がキンキンに効いているため、ある意味での天国を味わえます。
ただ、展示物は地獄に比べると、少し退屈かなと感じます。働かずに酒を飲んで踊って眠る毎日は、理想郷なのか退屈な日々なのか、考えさせられる部分でもあります。
天堂を最後まで進むと、龍の口から出てきます。この龍はかなり高い位置に口があるので、上から敷地内を見渡すことができます。
ちなみに、上の写真の龍の後ろに見える、螺旋階段の塔に登れば、この記事のトップ画像のような龍を含めた麻豆代天府の全景が拝めます。
台北に拠点を置く場合、麻豆代天府はアクセスがかなり悪く感じるかもしれません。日にちに余裕がある方以外行きにくいかもしれませんが、日本人も少なく、より台湾らしさを感じることができるスポットです。
まだ見ぬ台湾を探している人は、一度行ってみても良いかも。
[…] 十殿閻羅図にある死後の裁判の様子は台南にある「麻豆代天府」を訪れれば、濃厚に体験することができます。十王による裁判などは、日本での地獄の考え方に密接に関係しているので、ご興味のある方は一度触れてみてはと思います。 […]